日本赤十字国際人道研究センター
赤十字と人道問題の研究フォーラムの場として
日本赤十字国際人道研究センター(Japanese Red Cross Institute for Humanitarian Studies)は、東日本大震災直後の2011年(平成23年)4月、日本赤十字社の教育研究・調査活動の拠点として学校法人日本赤十字学園内に開設されました。その活動は、日本赤十字社の歴史史料・看護教育関連史料の収集・調査、国際人道法の普及に関する研究と教材の開発、災害救援・開発協力などの人道支援や内外の人道的課題に関する知見の発信や分析など多岐にわたります。
毎年、刊行される研究機関誌『人道研究ジャーナル』は、国際社会の広範な人道問題に関する研究者の知見を広く一般の方々とも共有することを目的に研究員や内外の研究者の論文のみならず、一般の方々の論考など多彩な記事を掲載しています。今日の世界の人道的諸課題の複雑・難解さを考慮すれば、著名な国際法学者アントニオ・カッセーゼ博士がいうように「一握りの専門家たちの間で行われる議論に一般市民を参加させることが大切」だと考えるからです。
当センターが、一部の研究者のみならず、赤十字運動と内外の人道問題等に関心のある方々のご理解とご協力により活動を更に充実させ、国際社会の人道的諸課題の改善と解決に向けた議論のためのフォーラムとしての役割も果たせるなら幸甚です。
日本赤十字国際人道研究センター所長
井上忠男
研究体制
研究員 根本 昌宏 (日本赤十字北海道看護大学教授)
国際人道研究センターの業務
- 国際赤十字(日本赤十字社を含む。以下同じ。)の歴史・史料に関する調査研究
- 国際赤十字の活動及び事業に関する調査研究
- 国際人道法の普及及び調査研究に必要な事業
- 国際赤十字関係機関・団体等との学術研究の連携・協力
- 看護大学・短期大学が行う調査研究の支援
- 赤十字史料の展示
機関誌「人道研究ジャーナル」
「人道問題」「国際人道法」「赤十字」「救護活動」「看護史」等をキーワードに、幅広いジャンルの論文、随筆、書評などを掲載。
Vol.5~Vol.12は東信堂より販売中 http://www.toshindo-pub.com/
当センターでは機関誌「人道研究ジャーナル(Journal of Humanitarian Studies)」への寄稿をお願いしています。
令和5年度 研究員による海外調査・研究活動概要
国民保護法に基づく日本赤十字社の対応に関する調査研究
米国、英国などの先進国の赤十字社が国民保護のために策定している計画に関する文献等の調査分析を行い、また本社関連部署との国民保護対応の勉強会を開催しました。
1946年看護教育制度改革における赤十字看護教育に関する調査研究
戦後、各地の日本赤十字社看護婦養成所における看護教育の改革の状況について日赤社史稿・記念誌等から関連記事等を整理し分析しています。
第二次世界戦中のホロコーストに関する調査研究
ナチス・ドイツによるユダヤ人のホロコーストに関するドイツ、ポーランドの歴史史跡の調査研究を実施しました。アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所(ポーランド)及びベルリン・ユダヤ博物館などの訪問及び関係資料の収集・調査を行いました。
IFRC・PSセンター発行のマニュアル類(The well-being guide等)の翻訳
IFRC(国際赤十字・赤新月社連盟)のPSセンター(心理社会的支援リファレンスセンター)が発行している「こころのケア」に関するマニュアルのうち「The well-being guide」の翻訳を行っています。
『地獄の塹壕に対峙して―赤十字国際委員会(ICRC)と第一次世界大戦』邦訳
F.Bugnion著Confronting the Hell of the Trenches-The ICRC and the First World War 2018の翻訳を行っています。原著は第一次世界大戦を機にICRCがどう変貌したかを多角的に分析・解説しています。
国際人道研究センターのこれまでの刊行物
国際人道研究センター制作映像
グローバルスタディ資料
お問い合わせ先
学校法人日本赤十字学園 日本赤十字国際人道研究センター
〒150-0012 東京都渋谷区広尾4-1-3 日本赤十字看護大学内
TEL 03-3409-0882
不在の場合がありますので、メールでのご連絡をお願いいたします。
学校法人日本赤十字学園 法人本部事務局
〒105-0012 東京都港区芝大門1-1-3 日本赤十字社ビル西館6階
TEL 03-5472-2836